「先日、東京大学が世界に通じる人材育成の急務として秋入学制度の導入を打ち出したことについて、教育界のみならず一般層でも活発な議論がおこなわれている。
最終教育機関である大学の在り方を見直す良い機会になったのではないだろうか。
さて、管轄は違うが防衛大学もまた最終教育機関の1つだ。
防衛医大も含めてだが、将来の幹部候補を育成する目的で設立された両校は、学生の教育費や食費などの生活費を国費で賄っている。
それは将来、自衛隊に任官しなければならないという前提があってこそ成立するもの。一般的にもそういう認識だろう。
しかし、防衛大学卒業後に自衛隊への任官を拒否する卒業生は一時よりは減少したものの、決して少なくはない状態だ。
やむを得ない事情もある人もいるだろうから、一概に責めることはできないがその場合の今までの費用はどうなっていたのか。
答えは、返還しなくてよい。返還する措置制度がなかったことが原因ではあるが、全く想定していなかったわけでもあるまい。
これを聞いて、他の大学生は不公平だと思わないだろうか?
防衛省は重い腰を上げ、ようやく任官辞退をした学生に対し、国公立大学4年の教育費用に相当する250万円を返還する措置を打ち出した。
実際に行われるのは3年後の平成26年度から。まあ、すんなりいくとは思えなかったが、それにしても...である。
同じ防衛省管轄の防衛医大は、官辞退や任官後9年以内に自衛隊を退職する場合、教育費の一部を償還金として支払う制度がすでに存在している。
在籍が6年という長期にわたる期間に及ぶことと、医学教育への多額の費用を換算すると、その費用は莫大なものになる。
実際、21年3月の卒業生の償還金最高額は4899万円だったそうだ。
両極端といえばそうだが、今まで措置をとってこなかったほうがおかしい。
最終教育機関としての在り方を、防衛大学も見直すべきだろう。